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小児の単純性股関節炎 2009年7月6日

 幼児や学童が誘因なく急に足の痛みを訴え歩行が困難になったときは、単純性股関節炎が生じている場合があります。この疾患は一過性に股関節の炎症を生じたものですが、原因は明らかではありません。股関節そのものよりも太ももやひざの痛みを訴えることが多く、脚を動かすと痛がります。エックス線写真で骨には異常がなく、MRIでは患側股関節の関節液が増えていることを認めます。
 安静が守れると通常数週の内に軽快してきます。鑑別すべき疾患として最も注意を要するのは細菌による化膿性股関節炎ですが、通常発熱を伴い症状も重篤となります。そのほかにも大腿骨頭の壊死を来すペルテス病など小児の股関節に病変を来す疾患もありますので、小児が急に足の痛みを訴えて歩行が困難になった場合は整形外科専門医の受診をお勧めします。

 
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