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院長・川村正英の


骨粗しょう症による脆弱性骨折 2022年12月5日

 骨粗しょう症になると軽微な外力によって骨折を生じるようになり、これを脆弱(ぜいじゃく)性骨折といいます。軽微な外力とは立った姿勢からの転倒か、それ以下の外力を指します。脊椎の圧迫骨折、股の付け根の大腿(だいたい)骨近位部骨折、手首の橈骨(とうこつ)遠位端骨折が骨粗しょう症による代表的な骨折ですが、上腕骨近位部や肋骨(ろっこつ)、骨盤などの骨折もよく見られます。その中で最も折れやすいのは脊椎で、転倒さえしていない症例が少なくありません。
 当院における脊椎圧迫骨折症例を以前に調べたことがあります。2011(平成23)年から15(同27)年の5年間に圧迫骨折が236例あり、そのうち転倒などのけががなかった症例が162例と3分の2以上を占めていました。転んだり打ったりしていないのに腰痛が起こり、圧迫骨折が生じている場合があるということには注意する必要があります。中高年者においてささいなことで背骨や手足に急な痛みを生じた時は、骨粗しょう症に起因する脆弱性骨折が生じている場合もあるので、整形外科受診をお勧めします。
 
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