<< 前のページ次のページ >>

院長・川村正英の


高齢者のぎっくり腰には要注意 2022年7月4日

 いわゆる「ぎっくり腰」は急に起こった腰の痛みを指す通称であり、正式な診断名ではありません。腰の関節や軟骨に許容以上の力がかかって発生し、腰を支える筋肉やすじなどの軟らかい組織から痛みが生じていることが多いと考えられています。
 「ぎっくり腰になった」と受診される方の中にはヘルニアなどの軽症でない病態の患者さんもいらっしゃいますが、特に注意すべきは高齢者に起こった強い急性の腰痛です。転倒や打撲をしていなくても、骨粗鬆症を基盤として腰椎や胸椎の圧迫骨折が生じていることが少なくありません。当院を受診される圧迫骨折の患者さんは、半数以上が思い当たるきっかけのない骨折を来しています。
 腰痛の程度が重度ではなく、下肢のしびれなどの症状もない場合は、様子を見てもよいと思われます。しかし、ぎっくり腰と思っても、高齢者において軽度でない腰痛が急に生じた場合は圧迫骨折やその他の疾患も考慮すべきですので、整形外科受診をお勧めします。
 
<< 前のページ次のページ >>
 
← 一覧に戻る