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院長・川村正英の


エックス線に写らないひび 2021年12月6日

 手足や体幹のけがで受診された患者さんで、エックス線を撮影しても骨に異常が見られないが、痛みが続く場合があります。単なる打撲や捻挫にしては症状が強く、1〜2週間たっても腫れが軽減してこない場合に、一定期間をおいて再度エックス線を撮影すると「ひび」が判明することがあります。
 ひびはずれのない骨折で、ずれてくるともはやひびとはいいません。ずれを伴う骨折になると治りが悪い部位もあります。股関節などは早期にひびの有無を知る必要があるのでMRI検査をする場合があり、超音波検査がひびの診断に有効な部位もあります。
 エックス線には異常がなくても当初の症状からひびも否定できないなら、ギプス固定などひびを想定した治療を行う場合もあります。結果的に骨の異常がなかったとしても、手厚い治療は早期の強い症状を軽減するのに有効と考えられます。初診時のエックス線に異常がなくても、痛みなどの症状が軽減してこないなら、再度の受診をお勧めします。
 
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