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院長・川村正英の


変形性膝関節症における関節可動域制限 2016年7月5日

 変形性膝関節症で関節の変形が進行すると膝関節の可動域が徐々に制限されてきます。膝の曲がりが悪くなるとまずは正座ができなくなり、次いで、和式トイレでのしゃがみ込みが困難となります。一方、膝の伸びが制限されるとあおむけに寝たときに膝の裏が床に付かない状態となります。変形性膝関節症で多く見られるO脚変形とともに膝が真っすぐに伸びなくなると、就寝時には膝の裏が空いた状態を維持できないので、お皿が外を向いた外旋位を取ることになります。歩行時にも膝の伸びが制限されて、足先とお皿が外を向いた状態で歩く人が少なくありません。これらの可動域制限は骨の変形や肥厚した関節包、短縮した靱帯、筋腱がその原因となっています。変形性膝関節症ではリハビリをして膝の可動域を保つようにしますが、いったん関節の動きが悪くなるとその改善は容易ではありません。人工膝関節置換術を行うと関節の伸びは改善することが多く、高度変形膝で屈伸の制限が強い場合は手術も考慮されます。
 
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