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院長・川村正英の


骨粗しょう症による非外傷性の骨折 2016年4月5日

 転んだり打ったりしていないのに骨折が生じた場合、若年者、青壮年者ではスポーツなどでの使い過ぎによる疲労骨折であることが多いです。一方、高齢者では骨粗しょう症により骨が弱いため非外傷性の骨折が生じる場合があります。よく見られるのは腰椎や胸椎の骨折で、転倒もしていないのに急に腰や背中が痛くなった場合には圧迫骨折が生じていることが少なくありません。この場合、変形が進行して背骨が曲がって治ったり骨が癒合しなかったりすることがありますので、体幹装具による治療を行いますが、手術を要す場合もあります。また、骨粗しょう症が高度で、股の付け根である大腿骨頸部に非外傷性の骨折が生じた場合は手術が必要になることが多く注意が必要です。この他、肋骨や恥骨、仙骨でも骨粗しょう症による非外傷性の骨折が比較的よく見られますが、通常の場合、徐々に痛みも和らぎ骨癒合も得られます。けがもしていないのに急に手足や背骨が痛くなったときは整形外科受診をお勧めします。
 
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