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院長・川村正英の


転倒して手を突いたときに起こる肘の痛み 2014年5月9日

 肘から手首にかけて腕の親指側には橈骨という骨がありますが、転倒して手を突くとこの骨が折れやすく、中でも橈骨の手首に近い部位は骨粗しょう症による骨折の好発部位です。一方、腕の肘に近い部位が痛くなった場合は橈骨の肘関節部にある橈骨頭を骨折している場合があります。橈骨頭は腕をひねる動作により上腕骨、尺骨との間で回転する関節を形成しますので、骨折が治っても変形が大きく残れば痛みや機能障害が残存する恐れがあります。従って骨折部のずれが許容できない程度であれば手術が必要になります。逆にずれの全くないひびはエックス線で骨折が判明しない場合があり、このときは磁気共鳴画像装置(MRI)などの検査により骨折が分かります。ずれが小さい状態ならギプスで固定しリハビリも行い、ずれが進まずに骨折が治ると、後に問題が残ることは少ないです。手を突いたときの肘の角度によっては肘の内側の痛みを来し、靱帯や尺骨の損傷を生じる場合もあります。
 
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