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院長・川村正英の


五十肩の症状 2013年12月3日

 五十肩は肩関節の周囲で炎症が起きるために肩が痛んで動きが悪くなる疾患で、正式には「肩関節周囲炎」といいます。関節周囲の腱や靱帯の変性により炎症が起こりやすくなる50歳や40歳頃に好発するので、五十肩や四十肩といいます。
 痛みは腕を動かすときに生じますが、炎症の強い急性期には肩を安静にしていても痛むことがあります。炎症が長引くと関節が徐々に固くなってきて、炎症が消退しても固くなった関節を動かすための痛みを来します。一般的に腕を上げるときに痛いのは分かりやすいと思いますが、腕のひねり動作で痛みが強いのが特徴です。衣服の着脱では、シャツをかぶって着るときやシャツをズボンの中に入れるときに痛みを来します。ズボンの後ろポケットにも手が届きにくくなり、不用意に手を回して激痛を生じることもあります。入浴時には背中や反対側の脇に手が届きにくくなり、体を洗うことが困難となります。車の運転でハンドルを回すときに痛んだり、胸の前で腕を組もうとしても肩の痛みのため腕が組めなくなったりします。難儀なのが夜間の痛みで、痛い方の肩を下にして寝ることができなくなります。痛い方を上にしても腕の位置によっては肩が痛むので腕の置き所がなくなり、睡眠不足になるといった話もよく聞きます。五十肩ではこれらの症状に1年以上悩まされる人も少なくありません。
 治療としては、急性期には肩を安静にして炎症を鎮め、炎症が軽減したらリハビリで関節の動きを良くしていきます。早い時期に炎症が治まったら関節が固くならないことも期待できますので、五十肩が起こったら早期に関節注射などの薬物療法で炎症の鎮静化を図る方がよいと考えます。
 
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