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偽痛風 2012年5月7日

 偽痛風は関節に起こる急性炎症の原因となる疾患で、カルシウムを含んだ結晶が関節内やその周辺に沈着して痛風と似た急性炎症発作を来します。膝に最も多く見られますが、肘や手首などの関節や関節周囲に生じることもあります。高齢者に多く発症し、発作時には関節が腫れて痛み、動かしづらくなります。若干の発熱を伴うこともあり、膝に生じたときは歩行が困難になります。エックス線で関節にカルシウムの沈着を認めることが多く、腫れた関節内には濁った関節液が貯留しています。関節液からカルシウムを含んだ結晶が検出されれば診断が確定しますが、関節液の外観は化膿性関節炎との鑑別が困難なことが少なくありません。治療としては関節を穿刺し関節液を抜いて消炎鎮痛剤を服用します。炎症を鎮静化するステロイドホルモンの関節内注入が有効ですが、化膿性関節炎であれば逆効果となりますので慎重に対処する必要があります。
 
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