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膝に水がたまる 2003年4月10日

 【膝の水とは?】膝が関節炎の状態になり、異常に多く作られた関節液が水の正体です。ほとんどの膝の病気には、水がたまる時期があります。原因として変形性膝関節症や関節リウマチが、最も多い病気です。
 正常な膝でも数 の関節液があるのが普通ですが、関節炎の状態になると10
 以上、多い時には50
 以上の水がたまることもあります。正常では、透明に近い黄色ですが、
色や粘りが変化したり、濁ることもあります。ある程度以上水がたまると、膝蓋骨(お皿)の周りが腫れたり、膝の裏がはった感じになり、膝の屈伸がしにくくなります。
 【水を抜くと癖になる?】膝にたまる水は関節炎の一症状にすぎません。水を抜いたからといって関節炎まで容易に治るわけではありませんので、多くの場合再び水がたまることになります。しかし、関節の中に水が多くたまって張りつめた状態のままでは膝のために良くないので、ある程度以上の水がたまると注射器で抜いてやった方がよいと考えます。
 これは例えていえば、風邪をひいた時の鼻水のようなものです。鼻水が出そうな時に鼻をかみますが、風邪が治らない限り、再び鼻水が出るでしょう。しかし、それを癖になるといって、鼻水をかまずにいることはできませんよね。これと同じです。
 【治療は?】一度、膝に水がたまると、関節炎の状態が良くなるまで簡単には水がとれません。しかし、原因となる病気の治療をしながら、何回か水を抜いているうちに徐々に水が減っていくことを、多く経験します。病気の進行した膝関節ではどうしても水が引かないこともありますが、そんな場合でもたまる水を少なくして、関節炎が落ち着いた状態にしていく必要があります。
時には手術や内視鏡検査が必要になることもありますので、膝に水がたまる時には整形外科専門医を受診し、状態に応じた治療を根気よく続けることが必要です。


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