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院長・川村正英の


骨折の合併症 2015年10月6日

 骨折で生じる合併症もいろいろあり、重症の骨折では受傷時に神経、血管、臓器などの損傷を合併する場合があります。一方、受傷時にはなくて後から起こってくる合併症もあります。例えば、手首の骨折である橈骨遠位端骨折においては親指を伸ばす腱が骨折部で擦り切れたり、指へ行く神経がきつくなって手指のしびれを来したりする場合があります。また、骨折をきっかけに自律神経の調子が悪くなって患肢の痛みや腫れ、発汗異常などを生じる場合もあります。骨折部周囲の関節が硬くなったり筋力低下を起こすことは少なくありませんし、骨折が癒合しなかったり、変形して癒合する場合もあります。骨折受傷時にはギプスなどによる固定とリハビリを施行し、必要に応じて薬物療法も行いますが、手術療法が適切な症例も少なくありません。それでも治療に難渋する合併症を来す場合がありますので、骨折受傷時には整形外科受診をお勧めします。
 
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