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院長・川村正英の


骨折に対するギプス固定後の関節可動域訓練 2015年6月2日

 手足の骨折を受傷したときの治療として、ほとんどの場合、固定が必要となります。直接骨を固定する手術療法は別として、ギプスなどによる治療では通常、折れた骨の両端にある関節も含めて固定します。この際に受傷時の軟部組織損傷もあり、一定期間の固定により関節が固くなってきます。指、手首、肘などでは特に関節の可動域制限が生じやすくなります。骨癒合を得るとともに関節の動きを再び良くするには関節可動域訓練を行いますが、このリハビリを開始するタイミングが重要です。骨が十分に癒合してから訓練を開始すると可動域回復が困難となる場合があります。逆に訓練開始が早過ぎては骨癒合が得られなかったり、骨折部の変形が進行したりしますので、それぞれの骨折の状態によりリハビリの開始時期を決定する必要があります。時にギプス固定のままで長期間受診しない患者さんがいますが、訓練開始が1週間遅れても治療に難渋する場合もあります。
 
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