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院長・川村正英の


五十肩の治療 2013年4月1日

 五十肩は四十肩ともいい、40歳から50歳前後に多く発症しますが、60代や70代の人に生じる場合もあります。肩関節周囲の腱や靱帯などが老化して炎症が起こることが主な原因と考えられており、正式な病名は肩関節周囲炎です。
 肩を動かすときの痛みが主症状で、髪を結ったり服を着替えたりする動作で肩が痛みます。夜間に痛んで眠りが妨げられる場合もあります。痛みは数週間にわたって悪化し、その後慢性化して痛みは少なくなりますが、滑液包や関節包が癒着すると腕が十分に上がらなくなります。
 痛みが起こって間もない時期に、関節の動きを維持するために肩を動かす運動をしているという患者さんを時に見かけますが、これはむしろ痛みを増悪させてしまいます。急性期には肩を安静にして、関節注射や消炎鎮痛剤の内服で炎症の鎮静化を図ります。
 急性期を過ぎると、癒着を防止するために運動療法を開始します。いったん関節が硬くなると肩関節の動きの回復は容易ではありませんので、動きの制限が強い症例ではリハビリが必要になります。仕事で肩をよく使うから大丈夫と考える人もいるようですが、日常生活で腕を真上まで上げるような動作をすることはあまりありません。
 五十肩は軽症の場合、数カ月で自然に軽快することもありますが、症状が強い場合は放置して関節が硬くなってしまうと、痛みも引かず治療に難渋する症例が少なくありません。
 難治例では腱板に傷が入っている場合もありますので、磁気共鳴画像装置(MRI)などの検査も適宜行います。炎症に対する注射や内服は慢性化する前の方が効きやすいので、肩の痛みを来した場合は早期に整形外科を受診することをお勧めします。
 
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