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骨粗しょう症による恥骨骨折 2011年7月4日

 骨粗しょう症のある高齢者が転んでもいないのに股の痛みを来した場合に骨盤の恥骨に骨折が生じていることがあります。股の痛みのために歩行が困難となり足を動かすと痛みが誘発されます。エックス線で異常がなくてもMRIなどの検査をしてみて恥骨のひびが分かる場合もあります。これは高度な骨粗しょう症を基盤として自然に恥骨の骨折が起こってきた状態で、おしり側の仙骨にも骨折を伴う場合があります。痛みが強い間は歩行時に杖を突くなど恥骨に無理がかからぬように安静を保ちます。そのうちにエックス線で骨修復の変化が見られるようになり、通常2〜3カ月で骨がくっついて痛みも軽快していきますので恥骨骨折であればあまり心配はありません。一方、股の大腿骨側の骨折も骨粗しょう症により自然と生じることがありますが、こちらはずれてくると手術が必要になることが多いので、高齢者が股の痛みを来した場合は注意が必要です。
 
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